殺処分は、ペットに関する最も深刻な社会問題の一つです。日本の犬猫の殺処分数は年々減少していますが、まだ年間1万頭以上の犬や猫が殺処分されています。そこで最も殺処分の多い3都道府県を調べました。
殺処分は減少している
日本の犬猫の殺処分は減少しています。
(引用)環境省統計資料
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/h26_dog-cat37.pdf
日本の殺処分数が減少している背景には、民間の動物愛護団体がペットを引き取る数が増加したことにより、保健所が引き取るペット数が減少したことがあると言われています。また、2012年に動物愛護法の改正が行われたことにより「終生飼養の責務」という趣旨に照らして、保健所は「かわいくなくなったから」「引っ越しで飼えなくなったから」などの安易な引取の申し出を拒否できるようになりました。それもひとつの要因だと言えそうです。
都道府県別殺処分数(2022年)
殺処分が減少したとはいえ、2022年で1万1千頭以上が殺処分されているというのは目を覆いたくなる現実です。では、都道府県別で最も殺処分しているのはどこか、環境省の統計資料で調べてみました。
(参照 環境省統計資料)
1位 福島県
殺処分948頭(犬:57頭 猫:891頭)
2位 長崎県
殺処分530頭(犬:215頭 猫:315頭)
3位 岐阜県
殺処分460頭(犬:36頭 猫:424頭)
買ったペットは最後まで
ペットが保健所に引き取られる原因は、飼育放棄や高齢者飼育、あるいは、迷子等の偶発的なものまで様々です。その中でも最も重大な問題は、最後までペットを飼育せずに無責任に保健所や愛護団体に引き取らせる人がいることです。ペットを飼うことは大変です。それを考えずに「かわいい」という感情に流されて気軽に飼うことを決断してはいけません。いまだにペットショップでは、ぬいぐるみを売るようにきらびやかな環境でペットを陳列しています。責任を持って飼育できる人のみがペットを飼い始めることができるしくみづくりが必要でしょう。
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