審査請求の流れをわかりやすく解説(通常版)

審査請求〜行政を訴える〜

市町村や都道府県、国が行った決定に不服があるときには、裁判よりも簡単な手続きである「審査請求」をすることができます。審査請求ってどんな流れで行われるのか、一般的な審査請求の流れを元・行政機関の審査請求担当者がわかりやすく解説します。

審査請求書を行政機関に提出する

まずは、あなたが審査請求書を提出します。審査請求書はA4、1〜2枚の用紙です。記入時間はおおよそ20分〜60分程度です。

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形式審査をされる

行政機関は、まずはあなたが提出した審査請求書の形式審査をします。形式審査とは、審査請求書に不備がないか、必要な項目に抜けがないかなどの「内容」ではなく、形式面を確認することを言います。

補正命令書が送られてくる場合がある

あなたが提出した審査請求書に修正が必要であれば、行政機関から補正命令書が郵送されます。補正命令書とは「審査請求書のこの部分をこのように修正してください」と書かれた書面を言います。補正命令書が届けば、審査請求書を補正命令書に書かれたとおりに修正して、行政機関に返送してください。郵送でOKです。

審理員が指名される

行政庁からあなたに審理員が誰になったかということが書かれた通知書が郵送されます。審理員とは、今後、あなたが提出した審査請求について意見をまとめる職員のことを言います。あなたはこの通知を受け取るだけでOK、特に何もする必要はありません。

弁明書が送られてくる

次に、あなたに弁明書が郵送されてきます。弁明書とは「あなたの不服はわかるが、こちらはこういう理由であなたにこのような決定を出しました」と弁解をする書面です。つまり、あなたに何らかの決定を出した部署からの弁解が書かれた書面が郵送されてきます。

反論があれば、反論書をあなたが書いて郵送します

弁明書に反論することがあれば、反論書をあなたが書いて郵送します。反論がなければ提出する必要はありません。弁明書に書かれたことがおかしいと思う場合は反論書を記載して行政庁に提出しましょう。

あなたが希望すれば口頭意見陳述が行われる

あなたが、行政機関と対面して言いたいことがある、質問したいことがある場合に口頭で意見をいう場を設けられます。それが口頭意見陳述です。あなたが口頭意見陳述をする必要がないと思うならば実施されません。

書類や物件の閲覧

あなたが、希望すれば、提出された書類や物件の閲覧できます。行政機関が持つ、証拠となる書類や物件を見たい、とあなたが希望すればそれらを見ることができます。

行政不服審査会に諮問される

あなたに「行政不服審査会に諮問した」という通知が届きます。これは第三者機関である行政不服審査会に意見を求めましたよ、ということをあなたに通知するものです。この第三者機関は大学教授や弁護士で構成されることが多い機関です。あなたは、何もする必要はありません。行政不服審査会の意見がどう出るのか待つだけでOKです。

行政不服審査会の答申が送られてくる

行政不服審査会からの意見が出ます。これを答申といいます。この意見はあなたに郵送されますので、どのような意見なのか目を通してみてください。それ以上あなたがすべきことはありません。

裁決書が送られてくる

裁決とは、行政不服審査の結論のことを言います。第三者機関の意見が出たのにまた結論?と思うかもしれませんが、第三者機関の答申はあくまで「意見」なので結論ではないのです。第三者機関の意見を聞いた上で、行政機関が結論をくだすのです。したがって、ほとんどの結論が第三者機関である行政不服審査会の意見と同じになることが多いです。

行政不服審査の結論

行政不服審査の結論(裁決)は3つあります。
どれもなじみがない言葉なので、理解するのは難しいですね。そこで簡単に3つの結論を解説します。

認容

あなたの勝ちです。あなたの不服はもっともだ、行政側が悪いので、行政が出したあなたへの決定を取り消します、という結論になります・

棄却

あなたの負けということになります。あなたの不服は受け入れられない、という結論です。

却下

審査請求の形式審査をした結果、形式面で不備があった場合に却下となります。つまり、内容うんぬんではなく、審査請求書に記載された形式面を審査した結果、形式面が具備されていないときに出されます。これは審査請求書を出した直後に決定されます。

まとめ

以上が審査請求の流れになります。審査請求をしてから結論が出るまでは概ね1年ほどです。

それほど難しい手続きではないので、ぜひチャレンジしてみてください!

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