南海トラフ「巨大地震注意」が出て、防災意識が高まっています。そこで、2024年、最新の地震後のトイレ事情について解説します。
震災時の水道の復旧にかかる期間
ひとたび大地震が起きると、その後ライフラインが数日断絶してしまうことがあります。トイレには最も重要なライフラインの一つである水道が大きく関わってきますが、過去、震災時の水道の復旧にはどれくらいの期間が必要だったのでしょうか。地震が起きた市町村の水道管が耐震性なのかどうかなど、場所による要因は大きいのですが、2024年1月に発生した能登半島地震の場合は、地震発生から3ヶ月たっても約7800戸で断水が続いていました。このように水道の復旧には時間がかかることがあります。
断水時に水洗トイレは流せるの?
断水でトイレが流せなくなるとかなり焦りますよね。お風呂の残り湯やペットボトルの水を水洗トイレに流しても大丈夫なのでしょうか。
流せる場合もありますが注意が必要!
結論から言うと、排水管や下水道が破損していなければ、便器に直接水を流すことで断水時でもトイレは流すことができます。ただしその場合でも、気をつけなければいけないポイントがありますので、いざという時のために正しい知識を身につけてください。
水を流すときのポイント
- 大きめのバケツに5〜8リットル程度の水を汲む
流す水の適量は設置しているトイレにより異なりますが、目安として5〜9リットル程度の水が必要です。市販のお茶や水が入っている大きいペットボトルは2リットルなので、ペットボトル3〜4本分の水をバケツに用意する必要があります。ただし、ペットボトルから便器へ水を流し込むのはやめておきましょう。一気に流せないため、水量が足りずに洗浄不良や詰まりを起こします。 - バケツの水を一気に便器内に流す
水ハネに気をつけながら便器ボウルの中心を目がけて一気に流し込みます。汚水が便器の周囲に飛び散ってしまった場合は、雑菌が繁殖するのできちんと掃除しましょう。 - 2〜3回に一度は多量の水を流す
断水が続き何度もバケツで流す場合、2〜3回に一度は多めの水で流します。これは水流不足により排水管の途中で汚物が止まってしまい、詰まりが起こるのを防ぐためです。
お風呂の残り湯は流してもいいの?
大丈夫です。ただし、お風呂の残り湯をトイレに流すときは、上記のとおり、便器に水を流しましょう。タンク内に入れてしまうと部品の故障や水漏れトラブルを招くこともあります。それは残り湯の中にある細かなゴミや髪の毛などの異物が、タンク内の部品に入り込んだり隙間に挟まったりすることが原因です。自治体のホームページで断水時に役に立つお風呂の残り湯によるトイレの流し方の動画がありましたので紹介します。
水が流せない場合とは
排水管や下水道が破損している場合は、トイレに水を流してはいけません。破損が考えられる原因としては、以下が挙げられます。
- 道路内の下水道の破損
- 液状化によるマンホールの浮き上がり
- 建物や敷地内の排水管の破損・つまり
見た目で破損しているか分からない場合でも、流すときに流れ方がいつもと異なる時や自治体から「流さないように」と広報があった際には、トイレに水を流さないようにしましょう。流せないのに無理に流してしまうと、パイプが詰まったり、汚水が溢れ復旧に時間がかかることや、修理費用が高くなることも想定されます。
災害用トイレを備蓄しておこう
排水管や下水道が破損してしまっている場合や、震災直後で、下水道の情報などが判明していない間は、災害用トイレが便利です。
洋式トイレの便座に、袋をかぶせ、凝固剤を使ってトイレを処理します。
匂い漏れしにくい素材が使われていることが多いので安心ですね。
防災グッズは早い目に購入して、自分や家族を守りましょう。
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